EASEプログラム®をご活用いただく際には、下記3点に留意していただければ、特に制限はありません。学術目的であれば特に費用などは発生いたしません。是非、ご活用ください!!
1)生活重要事の前景化(生きがいの明確化):
検査データや体重に焦点を当てるのではなく、まずは患者様が人生で大切にしていることを聞いてください。具体的には、こんな感じです。
✖「もう少し検査データを改善するためにEASE プログラムきっていうのをやってみましょうか?」 一これでは、医療者から見た目標が中心になっています。
○「Aさんが生活の中で大切にしていることを続けるために、自己管理のお手伝いをしたいと思っています。そのためには、まずAさんの生きがい・普段大切にしていること・失うと嫌なことを教えてください」
→このように、患者様が生活において重要視していることを確認してください。
長年顔を合わせている患者さんでも、改めて聞くと語ってくれますよ。医療者が照れていては、患者さんもお話ししてくれません。患者様に真剣に向き合ってみてください。
2)保健行動モデルの活用:
自己効力向上を図るために、できそうな目標から始めてください。あくまでも患者さんに目標を決めてもらってください。
✖「もう少し体重を減らした方が、体に負担がかからなくなるので、減量を目標にしてはいかがでしょうか?」
✖「Aさんは、標準体重から5kgオーバーなので、6ヶ月で5kg減量することを目標にしてはどうでしょうか?」
→いくら口調が穏やかでも、医療者が目標を決めてしまっています。
○「どのような目標が良いでしょうか?Aさんが、できそうなことから目標を立ててみましょう」
→まずは、患者様に自己決定権があることを伝えましょう。患者様がどうしても自分で決められない場合は、医療者がアドバイスしても結構です。
3) 認知行動療法の活用
セルフモニタリングを活用するときは、行動目標を実行することのメリットなども観察項目に入れてください。
×「飲水量」「体重」「喫煙本数」など、行動目標だけを書くようにする。
これでは、行動の結果しか確認しないことになります。
○「自分に対する満足度」
目標行動が達成できなかったときは、患者様も自分で自分のことは満足していないのです。結果だけ見ていては、このような患者様の辛い気持ちが置き去りにされてしまいます。患者さんが自分で自分をふがいないと思っている気持ちを共有しましょう。
○「口のべたつきの軽減度」「体が軽い感じ」など、行動後のメリットも認識する項目を入れる。
患者さんが、行動することで得られるメリットが時間できるようにする。
4. 発表時には、できるだけ「EASE プログラム」という言葉をタイトルに入れてください。
看護という職種が、EASE プログラムという「方法論」を使っていると言うことを認識してもらうことが重要です。単なる経験主義だけでおこなっているわけではないことの説明になります。そのため、「EASE プログラム」という言葉をタイトルに入れてください。
例:「透析患者に対する水分管理に関する研究」ではなく。「透析患者に対するEASE プログラムを活用した水分管理に関する研究」など。
詳しくは書籍「行動変容をうながす看護」のp.67~68,p.96~98をご覧ください。
行動変容をうながす看護
患者の生きがいを支えるEASEプログラム
編 集:岡 美智代
出版社:医学書院