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EASEプログラム®の介入例

行動強化法、セルフ・モニタリング法を用いた水分管理への介入例

目 的

透析患者に行動強化法とセルフ・モニタリング法を活用し、一日体重増加率が減少するかを検証する。

対 象

通院血液透析患者10名(男性7名、女性3名)
年   齢(mean±SD):47.8±11.4歳
血液透析歴(mean±SD):8.5±5.2年

介入方法

介入前
(1)普段の状態観察のために4週間の一日体重増加率の測定、
(2)体重増加の原因検索および行動目標決定の手がかりのため、4~5日分の飲食行動を記録。
介入中
(3)介入初日、患者は介入者とともに、飲食行動の記録をもとに自分の生活を振り返り、患者が主体的に目標と報酬を決定し、
(4)患者は日々の行動、体調やつらさなどを記録し、介入者は患者自身の気づきを高め、成果を共有しながら6週間サポートした。
介入後
(5)介入の効果とその持続性を判断するために、通常のかかわり方で4週間経過観察を実施。

出典)M.Sagawa, M. Oka, W. Chaboyer: The utility of cognitive behavioural therapy on chronic haemodialysis patients’ fluid intake: a preliminary examination, International Journal of Nursing Studies 40, 367-373, 2003.

結 果

介入前、介入中、介入後の一日体重増加率の変化を分析した結果、介入前に比べ、介入中(p<0.01)と介入後(p<0.05)で有意差があった。このことから、介入の実施により一日体重増加率が減少する効果があり、介入終了後も4週間は維持されていることが示唆された。つまり、患者自身が自分にあった目標をたて、実践することによって、水分管理が改善したことが示された。

一日体重増加率

出典)M.Sagawa, M.Oka, W.Chaboyer, et.al. : Cognitive behavioral therapy for fluid control in hemodialysis patients, Nephrology Nursing Journal, 28(1), 37-39, 2001.

国立看護大学校・佐川美枝子 先生

介入の結果、非常に大きな効果があったことは驚きでした。患者様の気づきを高め、意思を尊重しながら関わっていくうちに、自分の関わり方も変わりました。すると、患者様も私たちに対する接し方が変わってきて、意思を疎通していくうちに良い関係を保つことができました。

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