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「聞き書き」の方法

聞き書きの方法

聞き書きにはいろいろな方法があり、標準化された聞き書きの方法はありません。岡研究室では,小田の方法(小田、2012)を参考にアレンジした方法で行っています。その聞き書きの方法は以下の通りです。

「じっくりEASE(イーズ)プログラム」による「冊子型・じっくり聞き書き法」

(文献:岡美智代,齊藤詩織,井手段幸樹(2017).「じっくりEASE(イーズ)プログラム」における「聞き書き」について―慢性疾患患者の語りを冊子やカードにする看護支援―.日本慢性看護学会誌,11(1):34-38)

  1. 話を聞いてみたい人を探したり、ポスターを掲示して、語りたい人に名乗り出てもらう。
  2. 語り手が見つかったら、主旨や方法を説明して了解を得る。
  3. お会いする日程を決めて、思う存分語っていただく。許可を得てICレコーダーに録音!
  4. テープ起こしをして逐語録作成。
  5. 逐語録やメモから、「自分史」を作成。聞き手の質問は消し、語り手に語らせる。
    語り手になったような気持ちで書くことが大切。
    医療的に誤解を生じさせる内容は注釈をつける。
  6. 冊子としての体裁を整える。
  7. 印刷して、冊子体の「自分史」にする。
  8. 「自分史」の内容や固有名詞を、語り手に確認してもらう。タイトルを語り手自身につけてもらう。他者への配布の可否も確認。
  9. 裏表紙に聞き手の感想を、日付と共に記す。
  10. 修正した「自分史」を、ご依頼のあった冊数お渡しして完了。
  11. ここで、自分史を見た感想をまた語っていただくと、効果が確認できる。

「じっくりEASE(イーズ)プログラム」による「冊子型・ながら聞き書き法」

  1. 実践の中で気になる患者様にケアをしながら、患者の語りを聞く。
  2. その語りを、その場でメモしたりナースステーションでメモをとる。
    「その話おもしろいからメモをとっても良いですか?」、「〇〇さんのことを知りたいんですけど、お話ししていただいて良いですか?メモもとっても良いですか?」など。
  3. 「今度、他の看護師が続きを聞かせていただいても良いですか?」と尋ね、他の看護師も話を聞く。
  4. 以下、表2、Aの5と同様。

「じっくりEASE(イーズ)プログラム」による「カード型・ながら聞き書き法」

  1. 患者との会話で、印象に残ったところをメモしたり、記憶に残しておく。
  2. 自分がイメージした対象者像をふくらませる。特に対象者の良いところをイメージする。
  3. 対象者の口調や言葉を生かしながら、対象者を特に表す語りを数行でよいので書き起こす。
  4. 患者の元気が出るような(レジリエンシーが高まる)カードを作る。(A4用紙二つ折りのような形態でよい)
    カードに患者の言葉を記入したり、シールやイラストなどを使い、自由に飾り付ける
  5. 患者にカードを確認してもらい、タイトルを患者自身につけてもらう
  6. できあがったカードを患者にプレゼント。

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