【事例2】
Nさんは、水分管理ができず、 「いやぁ、飲みに行くのは止められないんだよ。看護師さんは飲むなって簡単に言うけど、本人にしてみれば大変なんだよ。誰も我慢なんかできやしないよ。みんな水分管理をどうやってるんだ!」と開き直ります。 さらに看護師に注意されると 「水分管理なんてやったところでどうなるんだ!」と激怒し、「早く死んだっていいんだよ!」という言葉も聞かれました。
ピア(peer)= 仲間・同輩 Nさん 「あれ?…みんながんばってるんだ。 努力していないのは俺だけだったのか。水分管理、俺でもできるのかもしれないな。」
Nさんは“水分管理がうまくいった週には、自宅で趣味のカラオケをおもいきり歌う”というプレゼントを定め、歌うことを楽しみにしながら水分管理に取り組むようになりました。
Nさん場合、自分の経営する工場で働く25歳の息子さんがおり、まだ半人前だと考えてはいるものの、将来は工場を継いでもらいたいと考えていることがわかりました。 看護師‥「“息子さんが一人前になったら工場を継いでもらう”ことと“体重を増やさずに安定した透析を行う”ことはどのようにつながりますか?」 Nさん‥「息子が一人前になるまで元気でいるために、頑張って安定した透析を続けることだな」 生きがい連結法により、自分なりの水分管理の目標を見出していくことができました。
ある事実の解釈を変えるために、その人が持っている判断、認知過程の枠組み(frame)を修正するのがリフレイミングです。 私たちは、毎日の生活の中で直面する事実に対して様々な解釈を行なっています。その認知過程に偏りがあった場合、心理的な苦痛を感じたり、誤った対応を行なうことがあります。 リフレイミングとは、認知過程の偏りを修正することによって心理的な苦痛を取り除き、適切な対応、行動ができるように改善する方法です。